2010年10月17日日曜日

セミナー「特殊印刷・加工 ケーススタディ」

恵比寿にある amu にて開催されたセミナー「特殊印刷・加工 ケーススタディ」に参加してきました。
以下は、メモです。



  • 「ものづくり」はカスタマイズ化されていないし、されにくい。

  • 佐藤直樹氏がディレクションした「WIRED」は日本初のフルDTP化された雑誌。1996年のこと。

  • お金がない中での工夫が大事。型にとらわれないこと。
    例:CMYK4色の上に活版で印字したポストカード

  • たくさん仕事をこなして事例が増えても、予測がつかないところにチャレンジすることが大事

  • 特殊印刷の定義は?
    CMYKで透明インキを通常としてそれ以外?
    線引きを決めた上での話なので、定義づけが難しい。

  • 特色で良いもの、CMYKで良いもの、それぞれを見極めて目的にあった手法をとる事が大事。

  • 制作者の『どや顔』(したり顔、得意顔)に対して感じる、やり過ぎにぐっとこない感じ、白々しさはいただけない。
    本づくりの場合、本の内容が主役であり主体である。それにのっかっていることを忘れないことが大事。

  • 特殊印刷をすることは、本来そうすべきところに発揮すべき。
    意味と重要性を見失わない事。

  • 活版や特色の技術は未来につないでいくために、今後高級になっていくかもしれない。
    そういうことも含めて考えられるデザイナーになるべき。




<印刷の事例>



  • 新世紀メディア論

    ロゴの赤の表現(2色刷り)と、表紙と中表紙の手書きによるロゴの掠れの表現に関するこだわり

  • 阿部仁央 フリッカー

    (HOME > INSTALLATON/PUBLICATION > Hitoshi Abe FLICKER)
    予算が限られた中では写真をフルカラーで掲載する訳にはいかない。
    モノクロの写真をきれいに見せるために、スミ+1色で印刷。
    設計図にはグロス感のあるニスをのせることで、図と地を絶妙なバランスで表現。

  • ハニカムチューブの建築

    印刷は予算が限られているので「阿部仁央 フリッカー」と同じにはできなかった。
    何を捨て、何を取るかが大事。
    製本とプラスチックの外枠の技術の素晴らしさ。日本の技術力の高さ。

  • ネオンアディクト 蛍光色の本

    写真のCMYKを蛍光色に置き換えて印刷。アーティスト「生意気」の事例。
    ただ置き換えるだけでなく、CMYKそれぞれのパーセンテージを変えることによってベストの表現に近づけていく。

  • 装丁道場

    紙に対してにじまないインクの選定、手書きのロゴが映える。王道な装丁。

  • 訳者解説

    イエローの英単語の上に、タイトルのブルー。イエローとブルーの掛け合いでグリーンになる割合、そしてタイトルを沈ませない配分の具合が絶妙。

  • 自分の仕事をつくる

    タイトルの黒字を引き立たすため、その下に白を大きめに印刷。版ずれもねらっている。

  • 自分の仕事を生かして生きる

    帯のタイトルは反対色のためハレーションを起こしているが遠くからでも目立つ。逆に文は読みやすさ重視。





<質疑応答 概略>



  • 見積もりについて
    印刷に関しては印刷会社さんの協力が不可欠。
    信頼できる印刷会社さんを探して、日頃から信頼関係を築くことが大事。

  • クライアントに対する説明について
    まだ形になっていないものを説明するとき、クライアントが想像できる、共有できるものを用意する。
    以前つくったものの合わせ技や、企画書に手書きのイラストで、下手でもいいから丁寧に書いて行く。



僭越ながら質問させて頂き、佐藤直樹さんにこんなアドバイスを頂きました。
「たとえWebのお仕事でも、好きなことを形にして見せることが大事。
自腹を切っても名刺を好きなように作ったり、表現することによって次につながる」

それぞれの事例に「Rhino」のどの見本が対応しているか教えてくださったので有り難かった。クライアントとのやりとりにも、とても有効だなと感じました。
「Rhino」に関して言えば、借出しだと思って(19,950円かぁ...)とドキドキしながら触っていたので、まさかの持ち帰りで得した気分で帰って来ました。

今回初めて足を運んだ amu (多目的クリエイティヴ・スペース)は、入口が奥まっているので、まるでちょっと高級なレストランのようです。オドオド入ったら、中はひんやり爽やかな、居心地良い空間でした。

11月からの「Sharing. リトアニアへの旅」という企画にも興味津々。
今度ふらっと行ってこようっと。


※私なりに解釈して要約しているので、実際の内容と違うかもしれませんがご容赦ください。またお気づきの点がありましたらお知らせいただけるとありがたいです。

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